ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
近くて遠い『幼なじみ』
「それで、次の全校朝礼のスケジュールに変更点が出たんだけど、お前にも連絡届いてるか? 甲斐(かい)」
「はい、会長」
雄太の落ち着いた声が廊下に響いた。
生徒会長と向かい合う雄太の横顔を、窓ガラスから射し込む五月下旬の明るい日差しが照らしている。
あたしはふたりの会話の邪魔にならないよう、教室の後ろ側のドア脇に立って、生真面目そうなその表情を黙って見ていた。
小さい頃は、あたしとほとんど変わらないくらいの背丈だったのに。
雄太ってば中学生になったとたんにグングン背が伸びて、手足のスラリと長い細身のモデル体型になっちゃった。
高校二年生になった今では、あたしとはもう頭ひとつ分くらいの差がついてる。
まだ伸びてるみたいだし、これからもっと差が広がるんだろうなあ。
ほんと、男子の成長ってすごい。
「時間が空いてしまった分は、英語スピーチコンテストで地区優勝した生徒に生スピーチを依頼しています。原稿もチェックしました」
「全校合唱のピアノ伴奏者はどうする? いつも伴奏している生徒は指を怪我しているんだろ?」
「もう代奏者を見つけて依頼済みです」
「助かる! お前はいつも仕事がスムーズで頼りになるよ、甲斐副会長」
「はい、会長」
雄太の落ち着いた声が廊下に響いた。
生徒会長と向かい合う雄太の横顔を、窓ガラスから射し込む五月下旬の明るい日差しが照らしている。
あたしはふたりの会話の邪魔にならないよう、教室の後ろ側のドア脇に立って、生真面目そうなその表情を黙って見ていた。
小さい頃は、あたしとほとんど変わらないくらいの背丈だったのに。
雄太ってば中学生になったとたんにグングン背が伸びて、手足のスラリと長い細身のモデル体型になっちゃった。
高校二年生になった今では、あたしとはもう頭ひとつ分くらいの差がついてる。
まだ伸びてるみたいだし、これからもっと差が広がるんだろうなあ。
ほんと、男子の成長ってすごい。
「時間が空いてしまった分は、英語スピーチコンテストで地区優勝した生徒に生スピーチを依頼しています。原稿もチェックしました」
「全校合唱のピアノ伴奏者はどうする? いつも伴奏している生徒は指を怪我しているんだろ?」
「もう代奏者を見つけて依頼済みです」
「助かる! お前はいつも仕事がスムーズで頼りになるよ、甲斐副会長」