ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
先生はもう、その場にしゃがみ込んでゼイゼイ青息吐息。


「ああ、よかった。うちの学校から死人が出ずに済んで本当によかった」


胸を撫で下ろしている雄太と一緒に、あたしも苦笑い。


マイクを持った運営係の生徒が海莉たちに近寄って、用紙を受け取った。


ゴールした生徒は、用紙に書かれている内容を読み上げられる。


そして持参した品物が合っているかどうか、全校生徒の判定を受けるんだ。


今回は、用紙に先生の名前が書かれてあればセーフってことだろう。


「それでは読み上げますので、皆さん判定をお願いします。紙に記載されていた借り物は、えーと……」


運営係が用紙を見ながら、マイクを構えて読み上げた。


「不燃ゴミ」


――シーン……。


一瞬の沈黙の後、校庭中を揺るがす大爆笑が巻き起こった。


もちろんあたしも雄太もその一員。


まさかの、不燃ゴミ!


それで先生をチョイスする海莉、アンタって本当に‥‥‥!
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