ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
「たあ〜かあ〜ぎい〜」


立ち上がった先生が、目を吊り上げて海莉に迫る。


対して海莉は、必死に両手をプルプル振りながら後退した。


「や、誤解です。ざっと見回したんですけど不燃ゴミが見当たらなくて。困ってたらちょうど先生の姿が目に入って。あ、ラッキーって」


「それでなんで俺が不燃ゴミなんだよ⁉︎」


「だって先生が一番煮ても焼いても食えないタイプ‥‥‥あ、ちなみにこれ、褒めてますから全力で!」


「そういえばお前、なぜか俺の教科だけダントツで成績悪いよな? 嫌がらせか? そうなのか?」


「誤解です! あたしが日本史嫌いなのは、過去の悲しいトラウマが原因なんです!」


「ちょうどいい。あのふざけた徳川家光大量発生の答案用紙を、きっちり説明してもらおうか」


「だからふざけてるわけじゃくて、過去のトラウマがー!」


海莉と先生のやり取りに、生徒も父兄も先生たちも、お腹を抱えて大笑い。
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