ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
きれいな女の子が雄太の隣に立つのは……うれしく思えない。
「それでは用紙を読み上げまーす。……ん?」
マイクを持った委員が、用紙を見ながら目をパチパチさせて、様子を窺うように女の子を見た。
女の子がコクンとうなずくのを確認して、すぐさま興奮した声を張り上げる。
「『想い人』!」
雄太の両目が見開かれて、パッと女の子の方を向く。
校庭中が一瞬シーンと沈黙した。
そして次の瞬間……すごい歓声がドォッと校庭中に轟いた。
「ヒューッ! すげえ!」
「甲斐くん、可愛い子に告白されちゃってるー!」
「なんで甲斐だけモテんだよ、ちくしょー!」
四方八方から無数の叫び声が飛び交って、どんどん熱気が高まっていく。
慌てた教頭先生がテントから出てきて、「こら! ご近所迷惑になるから騒ぐな!」って怒鳴るほどだ。
そんな全校生徒が浮かれている中で、あたしはまるで、冷たい水に頭のてっぺんまで浸かっているような気分だった。
あの子……。雄太のことが好きなんだ……。
急激に体温が下がっていくのに、胸の奥の一点だけがジリジリ灼けるみたいに熱い。
「それでは用紙を読み上げまーす。……ん?」
マイクを持った委員が、用紙を見ながら目をパチパチさせて、様子を窺うように女の子を見た。
女の子がコクンとうなずくのを確認して、すぐさま興奮した声を張り上げる。
「『想い人』!」
雄太の両目が見開かれて、パッと女の子の方を向く。
校庭中が一瞬シーンと沈黙した。
そして次の瞬間……すごい歓声がドォッと校庭中に轟いた。
「ヒューッ! すげえ!」
「甲斐くん、可愛い子に告白されちゃってるー!」
「なんで甲斐だけモテんだよ、ちくしょー!」
四方八方から無数の叫び声が飛び交って、どんどん熱気が高まっていく。
慌てた教頭先生がテントから出てきて、「こら! ご近所迷惑になるから騒ぐな!」って怒鳴るほどだ。
そんな全校生徒が浮かれている中で、あたしはまるで、冷たい水に頭のてっぺんまで浸かっているような気分だった。
あの子……。雄太のことが好きなんだ……。
急激に体温が下がっていくのに、胸の奥の一点だけがジリジリ灼けるみたいに熱い。