ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
よーく熟したバナナ特有のあの芳香が、教室にムンムン漂っている。
海莉ってば、この前は水戸納豆を持ってきてたしな。
高木家の特徴なのか、それとも海莉個人の嗜好なのか、こういう変わったお弁当を持って来ることがたまにあるんだ。
結構クラスのみんなも海莉が次になにを持って来るのか楽しみにしてて、すでに名物化している。
「よかったら瑞樹も食べて。一本どうぞ」
「ありがとう」
海莉が房から一本むしり取ったバナナを、お礼を言って受け取った。
「食べ終わったらさ、その皮を“あの子”の通り道に置いとけばいいよ。そんでスッ転ばしてやれば?」
海莉がわざとらしいほど刺々しく呼ぶ“あの子”が、どの子のことかすぐにわかって、あたしは苦笑いした。
「そんなマンガみたいな効果、本当にあるのかな? バナナに」
「バナナをバカにしちゃイカンよ。栄養価も高いし偉大な食べ物なんだから。信じなさい、バナナの威力を」
海莉ってば、この前は水戸納豆を持ってきてたしな。
高木家の特徴なのか、それとも海莉個人の嗜好なのか、こういう変わったお弁当を持って来ることがたまにあるんだ。
結構クラスのみんなも海莉が次になにを持って来るのか楽しみにしてて、すでに名物化している。
「よかったら瑞樹も食べて。一本どうぞ」
「ありがとう」
海莉が房から一本むしり取ったバナナを、お礼を言って受け取った。
「食べ終わったらさ、その皮を“あの子”の通り道に置いとけばいいよ。そんでスッ転ばしてやれば?」
海莉がわざとらしいほど刺々しく呼ぶ“あの子”が、どの子のことかすぐにわかって、あたしは苦笑いした。
「そんなマンガみたいな効果、本当にあるのかな? バナナに」
「バナナをバカにしちゃイカンよ。栄養価も高いし偉大な食べ物なんだから。信じなさい、バナナの威力を」