ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
真面目な顔の海莉に、つい笑ってしまった。
べつにバナナをバカにしてるわけでも、信じてないわけでもない。
一瞬頭の片隅で、本当にそのシーンを想像しちゃった自分がバカらしいだけ。
「毎日来てるよね。あの子」
モグモグと口を動かしながら海莉が言う。
海莉の言う通り、田中桃花さんはあれから毎日毎回、昼休みや放課後に雄太のクラスを訪ねてくるようになった。
そのせいで最近海莉は、雄太に対してもちょっと機嫌が悪い。
「よく来れるよねー。一年生が上級生の教室にさ」
「だって、雄太と田中さんは友だちだし」
そう言いながら、『友だち』っていう平凡な単語を、こんなにも複雑に感じている。
廊下で立ち話をしているふたりの姿を見ると、本当に病気になったんじゃないかってくらい、胸がすごく苦しいんだ。
だから見たくない。もっと本音を言えば、雄太に田中さんと一緒にいてほしくない。
でも、あたしにはどうすることもできない。
だって“幼なじみ”のあたしに、友だち同士の邪魔をする権利なんてない。
『でしょう? それが当然の理屈だよね?』
そんな風に自分に問いかけて、『その通り』という自分の答えを聞く。
そのたびに、なんだか自分自身を追い詰めているみたいな息苦しさを感じる。
近頃はその繰り返しばかりだ。
べつにバナナをバカにしてるわけでも、信じてないわけでもない。
一瞬頭の片隅で、本当にそのシーンを想像しちゃった自分がバカらしいだけ。
「毎日来てるよね。あの子」
モグモグと口を動かしながら海莉が言う。
海莉の言う通り、田中桃花さんはあれから毎日毎回、昼休みや放課後に雄太のクラスを訪ねてくるようになった。
そのせいで最近海莉は、雄太に対してもちょっと機嫌が悪い。
「よく来れるよねー。一年生が上級生の教室にさ」
「だって、雄太と田中さんは友だちだし」
そう言いながら、『友だち』っていう平凡な単語を、こんなにも複雑に感じている。
廊下で立ち話をしているふたりの姿を見ると、本当に病気になったんじゃないかってくらい、胸がすごく苦しいんだ。
だから見たくない。もっと本音を言えば、雄太に田中さんと一緒にいてほしくない。
でも、あたしにはどうすることもできない。
だって“幼なじみ”のあたしに、友だち同士の邪魔をする権利なんてない。
『でしょう? それが当然の理屈だよね?』
そんな風に自分に問いかけて、『その通り』という自分の答えを聞く。
そのたびに、なんだか自分自身を追い詰めているみたいな息苦しさを感じる。
近頃はその繰り返しばかりだ。