ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
雄太と田中さんは本当の恋人同士じゃなかったんだ!
「ああ……」
思わず口からそんな声が出て、感情が高ぶったあたしは両目をギュッとつぶった。
ああ、よかった!
よかった! よかった! よかった!
もう本当に、素直によかったって感情しかない!
神様、仏様、ご先祖様! とにかくみんな、ありがとう!!
「だからあたし、橋元先輩に謝らなきゃならないんです。先輩のこと利用したから」
体が風船みたいに軽くなっていく気分をしみじみ味わっていたら、田中さんがそんなことを言い出したから、あたしはキョトンとした。
利用って、どういうことだろう?
「同じ境遇に悩んでる人が橋元先輩だろうってことは、すぐ見当がつきました。だからあたし、甲斐先輩に彼女ゴッコを頼んだんです」
「え? どういう意味?」
田中さんはそこでいったん言葉を切り、フッと息を吐いて、覚悟を決めたような表情で言った。
「甲斐先輩はきっとあたしに同情して、言うことを聞いてくれるだろうって計算が働いたんです。だって甲斐先輩は橋元先輩のことが好きだから」
思わず肩がピクリと反応したあたしを見て、田中さんは少し寂しそうに笑う。
「とっくに気づいてましたよ。甲斐先輩の普段の態度を見れば。だからあたしの気持ちは叶わないってことは、最初から知ってたんです」
「ああ……」
思わず口からそんな声が出て、感情が高ぶったあたしは両目をギュッとつぶった。
ああ、よかった!
よかった! よかった! よかった!
もう本当に、素直によかったって感情しかない!
神様、仏様、ご先祖様! とにかくみんな、ありがとう!!
「だからあたし、橋元先輩に謝らなきゃならないんです。先輩のこと利用したから」
体が風船みたいに軽くなっていく気分をしみじみ味わっていたら、田中さんがそんなことを言い出したから、あたしはキョトンとした。
利用って、どういうことだろう?
「同じ境遇に悩んでる人が橋元先輩だろうってことは、すぐ見当がつきました。だからあたし、甲斐先輩に彼女ゴッコを頼んだんです」
「え? どういう意味?」
田中さんはそこでいったん言葉を切り、フッと息を吐いて、覚悟を決めたような表情で言った。
「甲斐先輩はきっとあたしに同情して、言うことを聞いてくれるだろうって計算が働いたんです。だって甲斐先輩は橋元先輩のことが好きだから」
思わず肩がピクリと反応したあたしを見て、田中さんは少し寂しそうに笑う。
「とっくに気づいてましたよ。甲斐先輩の普段の態度を見れば。だからあたしの気持ちは叶わないってことは、最初から知ってたんです」