ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
お父さんとお母さんが顔を見合わせ、そして同時にうなずく。


「ええ、もちろん。子どもの頃から瑞樹を守ってくれてありがとう」


「これからもよろしく。ずっと瑞樹から離れないで支えてやってくれるかい?」


「はい」


お父さんたちに向かって力強く答える雄太の横顔が、涙で霞んでよく見えなくて、あたしは何度も両目をこすった。


もっとよく見たい。そしてこの目に、記憶に焼き付けたい。


あたしの大好きな横顔で、あたしへの真剣な気持ちを宣言してくれた雄太の姿を。


『俺、絶対に瑞樹を諦めないから』


あの言葉通り、何度あたしが逃げ出しても、決して諦めずにいてくれた。


雄太は信じられる人。


そんな当たり前のこと、なんで忘れていたんだろう。


子どもの頃から、いつだってあたしの手を引いて守ってくれていたのに。


ねえ、雄太。この胸に込み上げる想いを、どうやって伝えればいい?


燃えるように熱くて、震えるほどうれしくて、今にも破裂してしまいそうなんだ。


ねえ、雄太。


大好きな大好きな、大好きな雄太……。


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