ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
ここから未来を始めよう
テーブルの上のティッシュを大量に抜き取り、顔全体をゴシゴシ拭いている横で、雄太が言った。
「これから瑞樹を連れて、少し散歩して来てもいいですか? 初デートってことで」
ちょっとおどけたその口調に、お父さんが「もちろん。……ありがとう」と答えた。
これからお父さんとお母さんは、離婚届に署名してハンコを押す。
だからたぶん雄太は、あたしをここから連れ出そうとしてくれているんだ。
お母さんも感謝のこもった目で雄太を見ている。
「行ってらっしゃい。ふたりとも気をつけてね」
「うん。行ってきます」
雄太と一緒にリビングを出て玄関に向かい、家の外に出て、雄太の後について歩いて行く。
「天気、いつの間にか回復したんだね」
「そうだな。てっきり今日は雨が降ると思ってたけど」
雲の切れ目から差し込む光が、派手に泣いて充血した目に眩しい。
灰色の空の隙間から覗く鮮やかな青さが、ハッとするほど胸に迫る。
あたしの歩調に合わせてゆっくり歩いてくれる雄太と肩を並べながら、しみじみと空を見上げて歩いた。
「これから瑞樹を連れて、少し散歩して来てもいいですか? 初デートってことで」
ちょっとおどけたその口調に、お父さんが「もちろん。……ありがとう」と答えた。
これからお父さんとお母さんは、離婚届に署名してハンコを押す。
だからたぶん雄太は、あたしをここから連れ出そうとしてくれているんだ。
お母さんも感謝のこもった目で雄太を見ている。
「行ってらっしゃい。ふたりとも気をつけてね」
「うん。行ってきます」
雄太と一緒にリビングを出て玄関に向かい、家の外に出て、雄太の後について歩いて行く。
「天気、いつの間にか回復したんだね」
「そうだな。てっきり今日は雨が降ると思ってたけど」
雲の切れ目から差し込む光が、派手に泣いて充血した目に眩しい。
灰色の空の隙間から覗く鮮やかな青さが、ハッとするほど胸に迫る。
あたしの歩調に合わせてゆっくり歩いてくれる雄太と肩を並べながら、しみじみと空を見上げて歩いた。