ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
ママもパパもそばにいない。後ろに立っている花嫁さんも、おじさんも、あんまりよく知らない。
目の前で閉じている茶色の扉はすごく大きくて、立派で、なんだか怖い。
『カゴの中の花びらを床に落としながら歩けばいいだけだから簡単よ』って、ママには言われていたし、何度も家で練習したけど。
ママと一緒じゃないと心配だよ。ちゃんとできるかな? もし失敗したら怒られちゃうのかな?
ああ、どうしよう。なんだかすごくドキドキしてきた……。
「瑞樹(みずき)ちゃん、ほら見て」
――バサバサ‥‥‥
不安で唇をキュッと結びながら下を向いていたあたしの耳に、にぎやかな羽音が聞こえた。
真っ白な鳩が日の光を反射してキラキラ光りながら、真っ青な空に溶け込んでいく。
あたしは思わず大きな声を出した。
「わあ、きれい!」
「うん。瑞樹ちゃんもすごくきれいだよ」
遠ざかる鳩の群れを目で追うあたしの耳に、そんな声が聞こえた。
目の前で閉じている茶色の扉はすごく大きくて、立派で、なんだか怖い。
『カゴの中の花びらを床に落としながら歩けばいいだけだから簡単よ』って、ママには言われていたし、何度も家で練習したけど。
ママと一緒じゃないと心配だよ。ちゃんとできるかな? もし失敗したら怒られちゃうのかな?
ああ、どうしよう。なんだかすごくドキドキしてきた……。
「瑞樹(みずき)ちゃん、ほら見て」
――バサバサ‥‥‥
不安で唇をキュッと結びながら下を向いていたあたしの耳に、にぎやかな羽音が聞こえた。
真っ白な鳩が日の光を反射してキラキラ光りながら、真っ青な空に溶け込んでいく。
あたしは思わず大きな声を出した。
「わあ、きれい!」
「うん。瑞樹ちゃんもすごくきれいだよ」
遠ざかる鳩の群れを目で追うあたしの耳に、そんな声が聞こえた。