ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
「田中さんなら大丈夫だと思う。少なくともあたしはそう信じてあげたいし、大丈夫だって言ってあげたい」


「そうだな。でも瑞樹には本当に済まなかったと思ってる。説明する機会がなくて」


「あたしが雄太のこと避けてたから」


それにあの時点では、あたしは雄太を振っていたから、雄太の彼女でもなんでもなかったわけで。


雄太があたしに説明する義理なんかなかったし、あたしが雄太を責める権利もないんだよね。


だからもう、この話はお終いだ。


「ねえ、これからどこ行くの?」


話題を変えたあたしの顔を、雄太はじっと見た。


そして、納得したように表情を和らげた。


「公園に行かないか? 子どもの頃は家族みんなでよく遊びに行ってたろ」


「ああ、あの公園ね?」


雄太の言う公園は、家のすぐ近くにある、ここら辺では一番大きな公園だ。


大掛かりなアスレチックコーナーや、小さな子どもが安心して遊べる遊具や、広くて清潔な東屋がある。


子どもの頃は家族ぐるみで、よく遊びに行った。
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