ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
「な、なに言ってんのよー!?」


引っくり返った大声で叫ぶあたしの顔は、たぶん茹でダコよりも真っ赤だと思う。


首から上の皮膚ぜんぶがヒリヒリするほど熱いし、アニメキャラみたいに髪の毛が爆発しそうだ。


今にも気を失いそうになって目を白黒させているあたしを、雄太が面白そうに眺めているのが、また憎らしい。


爆弾発言しておいて、なにそんなメチャクチャ冷静な顔してんのよ!? あ、さては……!


「からかったんでしょ!」


「いや。キスしたいのは本気」


「うっ……!」


「だって俺は瑞樹のこと好きだし。恋人同士なんだからキスしたいと思うのって当然だろ? 違うか?」


雄太は拗ねたように唇を尖らせながらヒョイと小首を傾げて、あたしの顔を覗き込んだ。


うぅ。男のくせにやたらと可愛いその表情と仕草、反則でしょ!


「それとも瑞樹は嫌なの? 俺とキスしたくないわけ?」


「し……!」


したいわよ!


って思わず正直に叫びそうになって、慌てて言葉を飲み込んだ。


ギュッと唇を結んで、できるだけ怖い顔して睨み上げると、雄太は「ん?」とますます顔を近づけて来る。
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