ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
付き合う前に、あたしがあんなに不安を連発しちゃってたから、少しでも安心させようしてくれてるのかも。


なんだか申し訳ないなあ。や、もちろんうれしいけどね。すごく。


海莉と関先輩の関係も、とっても良好だ。


まだカップルとして成立してるわけじゃないけど、もう先輩の家に遊びに行ったりもしてるし。


着々と恋人への段階を踏んでいる途中って感じかな?


海莉の笑顔のキラキラ具合を見れば、今とっても幸せなんだって伝わってくる。


「自由に時間を使える高校生がうらやましいわあ。若いっていいわねえ」


本をテーブルに置いてグラスに口をつけたお母さんが、肩を落としてふうっとため息をついた。


その言い方がちょっぴり年寄り臭くて、つい笑ってしまう。


「お母さんだって今日会社休んで、優雅にコーヒーブレイクしてるじゃん」


「有給消化してるだけよ。じゃないと本社からチェックが入って、うるさく言われて大変なんだから」


「って言われても、高校生には会社の制度なんてよくわかりませーん」
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