ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
雄太と過ごす時間は楽しくて、いつもびっくりするくらい早く過ぎるんだ。


昔から何度もこんな風に外で会ったことはあるけど、そのときと今とでは、ぜんぜん違う。


だって今のあたしたちは、ただの幼なじみじゃなくて恋人同士。


買い物したり、おしゃべりしたり、やってることは前とまったく同じなのに、この特別感はなんなんだろうね?


以前は感じることのなかった感情が、胸の奥から泉みたいに湧いてきて、あたしをすみずみまで満たしてくれるんだ。


ちょっぴりくすぐったくて、気持ちがふわふわ浮かれて、とっても安心できる。


気持ちが通じ合えなかった頃の寂しさは、もうカケラもない。


雄太と一緒にいられて幸せだなあって、本当に心から実感できるんだ。


「そろそろ時間だな。行こう」


ペットショップで子犬や子猫の可愛い仕草を眺めていたら、雄太があたしの手を握って歩き出した。
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