ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
「で、どこ行くの? まだ内緒?」
「内緒。着いてのお楽しみ」
ビルから連れ出されたあたしは、雄太に手を引かれながら大通りの曲がり角を曲がった。
時刻はそろそろ夕暮れ時で、傾いた太陽が、昼間の鮮烈さとは違った穏やかな色合いに町中を彩り始めている。
雄太はあたしを連れてそのまま道路を真っ直ぐ進み、どんどん大通りから遠ざかって行った。
あたし、ここら辺はほとんど来たことないや。
メインの通りから数本道を逸れただけで、ずいぶん静かになるんだなあ。
そんなことを考えてキョロキョロしながら歩いていたら、急に雄太が立ち止まった。
「瑞樹、着いたよ。ここ覚えてないか?」
「ん? どれ? ……あ」
ふたり並んで立つ目の前に、教会が建っている。
真っ白な西洋風の三角屋根と、てっぺんを飾る鐘。いかにも教会らしい教会で、言われてみれば重厚な木の扉に見覚えがあった。
「これって、あのときの教会じゃない!? あたしたちがフラワーガールとリングボーイをしたときの!」
あたしたちがまだ幼稚園だったときの、あの思い出の教会だ。
「内緒。着いてのお楽しみ」
ビルから連れ出されたあたしは、雄太に手を引かれながら大通りの曲がり角を曲がった。
時刻はそろそろ夕暮れ時で、傾いた太陽が、昼間の鮮烈さとは違った穏やかな色合いに町中を彩り始めている。
雄太はあたしを連れてそのまま道路を真っ直ぐ進み、どんどん大通りから遠ざかって行った。
あたし、ここら辺はほとんど来たことないや。
メインの通りから数本道を逸れただけで、ずいぶん静かになるんだなあ。
そんなことを考えてキョロキョロしながら歩いていたら、急に雄太が立ち止まった。
「瑞樹、着いたよ。ここ覚えてないか?」
「ん? どれ? ……あ」
ふたり並んで立つ目の前に、教会が建っている。
真っ白な西洋風の三角屋根と、てっぺんを飾る鐘。いかにも教会らしい教会で、言われてみれば重厚な木の扉に見覚えがあった。
「これって、あのときの教会じゃない!? あたしたちがフラワーガールとリングボーイをしたときの!」
あたしたちがまだ幼稚園だったときの、あの思い出の教会だ。