ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
うわあ、懐かしい! うちの家族はキリスト教信者ってわけでもないし、教会には縁がなかったから、あの日から一度も来たことがなかったんだ。


「じゃあ中に入ろうか」


懐かしさに感動しながら教会を見上げていたら、軽く言われてビックリする。


「え? 入ってもいいの?」


「他の教会は知らなけど、ここは大丈夫。神の扉はいつでも誰にでも開かれているってさ」


そういうことなら久しぶりにぜひ中の様子を見て見たい!


あたしは雄太に手を引かれて、わくわくしながら白い階段を上った。


扉を開けて中に入ると、入り口近くに神父さんがひとり座っているだけで、他には誰もいない。


ふたりできちんと神父さんに挨拶をしてから、十年以上ぶりの光景をゆっくり眺めた。


ゴシックなんだかバロックなんだかよくわかんないけど、それっぽい柱や壁は真っ白で、全体がとても明るい。


真正面の祭壇や、アーチ型の天井や、色鮮やかなステンドグラスの窓がまさに教会って感じだ。


「こんなだったっけね? さすがに細かい所までは覚えていないもんだね」
< 218 / 223 >

この作品をシェア

pagetop