ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
すっかり興奮していると、雄太が「座ろう」と言って、礼拝用の長イスに腰掛けた。


あたしも隣に座り、ニコニコしながら雄太に小声で話しかける。


「雄太、連れてきてくれてありがとう。ここはあたしにとって大切な思い出の場所なんだ」


だって初めて雄太を意識した場所だからね。特別な場所にまた来ることができてうれしいよ。


しかも雄太と一緒に来られるなんて思いもしなかった!


「俺にとってもここは特別な場所なんだ。それにこれから特別な時間が始まる」


「特別な時間?」


「ほら、見て。祭壇の上の天使像」


言われて前方に視線を向けたあたしは、目の前の光景に目を見張って声を上げてしまった。


「わ⁉︎ すごい!」


天井近くのステンドグラスを通って入り込む西日が、カラーライトみたいになって、祭壇の上の真っ白な天使像を色鮮やかに照らしている!


なんて美しいんだろう!


まるで天然のマッピング映像みたい!


「周りも見て」


驚いて見惚れているあたしの耳元に、雄太がささやく。


天使像だけじゃない。そこら中の真っ白な壁や柱や床に、多彩なステンドグラスの色がくっきり映し出されている!
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