ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
自宅に着いて、玄関のカギを制服のポケットから取り出そうとしたとき、急にドアが開いてぶつかりそうになった。


ドアの陰から顔を出した人を見て、あたしは大きな声を上げる。


「あ、お父さん!」


お父さんも驚いた顔をして、半開きのドアを押さえながらこっちを見ている。


「み、瑞樹、今日はまだ帰って来ないはずじゃなかったのか?」


「うん。予定ではもう少し遅くなるはずだったんだけど、委員会が早めに終わったから」


お父さん、どうしたのかな?


だっていつもは週末にしか帰ってこないのに。この前会ったのは、ほんの三日前だ。
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