ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
花嫁さんとおじさんの明るい笑い声に被さるように、空から鐘の音が降ってきた。


木々の紅葉をサワサワ揺らす風に乗って、とってもきれいな高い音が、涼しい空気を優しく震わせる。


するとオルガンの曲が変わって、目の前の大きな木の扉がゆっくりと開いていった。


いよいよ始まるんだ。あたしの出番だ！


扉の中では、たくさんの大人たちが教会の椅子にずらりと座ってこっちを見ている。


みんなニコニコしているけど、こんな大勢の大人に見られるなんて初めて。


この中を歩くのかと思ったら、また緊張してドキドキして体がキュッと固くなった。


「瑞樹ちゃん、一緒に行こう。せーのっ」


息を止めて花かごを抱きしめていると、雄太ちゃんがこっちを見ながら、元気な掛け声と一緒に右足を前に出す。


あたしと違ってぜんぜん平気そうな雄太ちゃんを見たら、なんだか体からスッと力が抜けて、あたしの右足も自然に前に出ていた。


そのまま前に進みながら、練習した通りに花びらを撒いてゆっくりと進んで行く。


真っ白でツヤツヤした床の上に、赤や青、ピンクや黄色が重なって、すごくきれいだった。
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