ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
なんかもうグチャグチャだ。


あたし今、悔しいの? 悲しいの?


それとも怒りなの? 自分でもわからないけれど、とにかく胸が苦しいよ。


苦しくて苦しくてたまらないよ!


―― ~♪


制服のスカートのポケットから着信音が聞こえて、あたしはビクッと体を震わせた。


この着信音、雄太だ。


なんとなく直感が働いた。きっと雄太はこの状況を知って、心配して電話をかけてきたんだって。


うちのお母さんと雄太のお母さんは親友同士で、なんでも相談し合っているから。


急いでポケットからスマホを出して電話に出ると、少し緊張した雄太の声が聞こえてくる。


『瑞樹? 俺』


『……うん』


『話、聞いた』


『……うん』


やっぱりと思いながら短い会話だけを交わして、それから少し沈黙が流れた。


電話の向こうで、雄太が言葉を探している気配が伝わってくる。


大丈夫か?とか、たぶんそんな慰めの言葉を探してくれているんだろうな。


でも大丈夫じゃないことなんてわかりきっているから、なんの言葉も出てこないんだろう。
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