ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
「ボクがちゃんと連れてってあげるから、大丈夫だよ」


そう言って雄太ちゃんがあたしの手を引っ張っりながら、どんどん先へと歩いていく。


しっかり前を向いてる雄太ちゃんの横顔を見たら、あたしの不安はあっという間に消えていった。


雄太ちゃん、あたしが泣きそうになっていることに、気がついてくれてたんだ。


雄太ちゃんとこうして手を繋いで歩いていれば、きっと本当に大丈夫だ。


そう信じた通り、雄太ちゃんはパパとママたちが座っている場所に、ちゃんとあたしを連れて行ってくれた。


「瑞樹、偉いぞ。よく頑張ったな」


「本当に偉いわ。雄太ちゃんもすごいわね」


白いネクタイをしてビデオカメラを手に持ったパパと、いつもよりずっとオシャレできれいな恰好をしたママが、ニコニコしながら小さな声で褒めてくれた。


うれしい。あたし、ちゃんとやれたんだ。


雄太ちゃんがいてくれたおかげだ。雄太ちゃんって本当にすごい!
< 6 / 223 >

この作品をシェア

pagetop