ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
……夢。


昔から何度も、こんな風に雄太から告白される幸せな瞬間を夢に見た。


でもそれは夢でしかなくて、いつも目が覚めて心の底からガッカリするんだ。


もしかしてこれも夢?


次の瞬間に目が覚めたら、あたしはやっぱり自分の部屋のベッドの上とか?


『俺はずっと瑞樹だけを見てきたんだ』


もう一度繰り返す雄太の告白が、あたしの不安と混乱を吹き飛ばした。


う、嘘でしょう⁉︎


こんなの信じられない。


雄太があたしを好き?


あたしを、好きなの? あたしの片想いじゃなくて?


両想い? 本当の本当に!?


……ああ、すごい衝動がお腹の底から込み上げてくる。


今にも全身がポップコーンみたいに弾け飛びそう!


どうしよう、どうしよう、どうしよう!!


ねえ雄太、あたしたちは本当に両想いなの!?


『瑞樹、ずっと続くはずだった幼なじみを終了して、たった今から俺と恋人同士になってくれるか?』


「……!」


いきなり頭から大量の冷水を浴びた気持ちになった。
< 66 / 223 >

この作品をシェア

pagetop