ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
でも言わなきゃならない。


雄太を失わないためには、雄太にも現実を知ってもらわなきゃならないから。


「永遠に想われる自信も、保証も、どこにもない。昨日それを知ったの」


消え入りそうな声を出しながら、あたしは、ある写真を思い出していた。


お父さんとお母さんの寝室に昔から飾られている、まだふたりが高校生だった頃の、一枚の写真。


この高校出身のふたりが、今のあたしたちと同じ制服を着て、笑って写っている。


学校帰りに一緒に公園に行って、そこでお父さんから急に告白されて、初めてキスをした日に写したんだってお母さんから前に聞いた。


幼なじみを卒業して、恋人同士になった記念写真。


最高に幸せな思い出を永遠に忘れないように、こうして飾ってるんだって。


あのときのお母さんの笑顔、まるで高校生の女の子みたいにキラキラしてたのに。


「でもね、結局ダメになっちゃった。永遠なんかじゃなかった」
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