ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
……え?


張りつめた胸からフッと息が漏れて、あたしは思わず瞬いた。


後ろをチラリと振り返ると、すぐ後ろに雄太が立っていて、あたしをジッと見つめている。


すごく冷静で大人びた視線に、瞳を刺された気がして。


動揺して、逃げるみたいに目を逸らして前を向いた。


「お前の気持ちはわかるけど、それは理由にならない」


相変わらず淡々と落ち着いた雄太の声が、背中から聞こえてくる。


あたしはつっかえながら、どうにか反論した。


「り、理由にならないって、なにそれ。やっぱりあたしの言ったことわかってないじゃん」


「わかってるから言ってる。お前こそわかってない。おじさんとおばさんと、俺たちは違うだろ」


「そういうことじゃない」


あたしはプルプルと首を横に振った。


そうじゃなくて。


あたしたちが、うちのお父さんとお母さんと違うなんてことは、ちゃんと知ってる。


でも、それがなんなの?


あたしたちがうちのお父さんとお母さんじゃなければ、あたしたちは絶対に別れないの?


違う。違う。そういうことじゃなくて。
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