ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
あたしたちが誰であろうと関係なく、ただ、恋の永遠を信じられない。


失う未来が見えちゃうから怖いんだ。失われた現実を痛いくらい思い知ったから。


そしてどうしても雄太だけは、失ってもいいなんて思えないから。


「俺はこれからもずっと瑞樹を好きでいるよ。俺のこと信じられない?」


その声が胸にズシリと覆い被さった。


とても優しくて、まるで小さい子をあやすみたいな声なのに、責められているみたいに感じて勝手に心が傷つく。


「お願いだから、そんなこと言わないでよ……」


自分でもビックリするくらい弱々しい声が出た。


雄太を信じるとか、信じられないとか、問題はそういうことじゃない。


ずっとあたしを好きでいるって、その意味を本当にわかって言ってるの?


「あたしたち、やっと高校生になったばかりだよ? この先の人生、どれほど長い時間やいろんな出来事が待ち構えていると思ってるの?」
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