ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
その声にビックリした花嫁さんや花婿さんや、周りの人たちみんながパッとこっちを振り向いた。


次の瞬間、静かだった教会中にたくさんの笑い声が響く。


パパとママは恥ずかしそうにペコペコ頭を下げていたけれど、なんだかみんなすごく幸せそうな顔で笑ってる。


きれいなお花やリボンで飾られたこの場所が、みんなの笑顔と笑い声で、ますますきれいな場所になった気がした。


みんなに注目されて、得意になって胸を張っている雄太ちゃん。


あたしの大切な、幼なじみの雄太ちゃん。


今もこんなに大好きだけど、いつかママがパパを好きになったみたいに、もっと雄太ちゃんのことを好きになるのかな?


その日は、いつ来るのかな?


そしたらあたし、雄太ちゃんのお嫁さんになるの?


この花嫁さんみたいに真っ白なドレスを着て、真っ白なヴェールを被って、かわいい花束を持って、雄太ちゃんの隣に並ぶのかな……?
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