ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。

それか、もしかしたら……もうあたしと恋人同士になるのは諦めたのかもしれない。


雄太にだって男のプライドがあるもんね。


あんなにきっぱり断られたら、そりゃ嫌になるかも。


雄太はもうあたしのこと、好きじゃなくなったかもしれないんだ……。


そんな風に考えたとたん、胸の奥がジクジクと疼き出す。


自分勝手なその痛みに、あたしはイラついて顔をしかめた。


自分から拒絶して逃げ出しておきながら、なにこれ。


本音は未練タラタラじゃん。


あたしってカッコ悪い。みっともない。いさぎよくない。


「勝手だな。あたしって」


思わずつぶやいた短い言葉の意味を察してくれたのか、海莉が首を横に振りながら言ってくれた。


「ううん。瑞樹は勝手なんかじゃないよ。気持ち、わかるよ」


雄太とのことは、あの後すぐに海莉にぜんぶ打ち明けたんだ。


親友の海莉に隠し事はしたくなかったし。


自分ひとりで抱えるには重すぎた。