ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
『花鳥風月堂』は、海莉の家のすぐ近くの有名な老舗和菓子店。
そこの店主さんが変わり者で、和菓子職人のくせに趣味の洋菓子作りがエスカレートした結果、外国にパティシエ留学までしちゃった人で。
その変わり者店主さん渾身の作品のフルーツケーキは、テレビの全国放送でも紹介されたほど逸品。
こだわりの贅沢素材が生み出す味といい、華やかなトッピングといい、控えめに言って最高!なんだ。
でも1日数個だけの希少な限定販売。
そりゃそうだ。なんてったって本業は和菓子屋さんなんだもんね。
だから早朝から店の前に並んでも、めったに手に入れることはできない。
イチかバチかの、幻のホールケーキと呼ばれている。
そのプレミアムなケーキが、あたしの目の前にある!
うわあ、感動。なんか、めったに遭遇できない珍獣と遭遇しちゃった気分!
「これ、どうしたの⁉︎」
「お母さんに頼んで、朝早くから気合い入れて並んでもらったの。三ヵ月のトイレ掃除とお風呂掃除当番で手を打った」
「…………」
「一度食べてみたかったのー! 買えてラッキー!」
うれしそうに頬を赤くした海莉が、小さなテーブルの上にいそいそとケーキを置く。
「さ、食べよ食べよ。瑞樹、ケーキ大好物でしょ? 遠慮しないでいーっぱい食べてね!」
元気にはしゃぐ海莉の声を聞いて、胸がジーンと熱くなった。
たぶんこれ、あたしのために用意してくれたんだ。
そこの店主さんが変わり者で、和菓子職人のくせに趣味の洋菓子作りがエスカレートした結果、外国にパティシエ留学までしちゃった人で。
その変わり者店主さん渾身の作品のフルーツケーキは、テレビの全国放送でも紹介されたほど逸品。
こだわりの贅沢素材が生み出す味といい、華やかなトッピングといい、控えめに言って最高!なんだ。
でも1日数個だけの希少な限定販売。
そりゃそうだ。なんてったって本業は和菓子屋さんなんだもんね。
だから早朝から店の前に並んでも、めったに手に入れることはできない。
イチかバチかの、幻のホールケーキと呼ばれている。
そのプレミアムなケーキが、あたしの目の前にある!
うわあ、感動。なんか、めったに遭遇できない珍獣と遭遇しちゃった気分!
「これ、どうしたの⁉︎」
「お母さんに頼んで、朝早くから気合い入れて並んでもらったの。三ヵ月のトイレ掃除とお風呂掃除当番で手を打った」
「…………」
「一度食べてみたかったのー! 買えてラッキー!」
うれしそうに頬を赤くした海莉が、小さなテーブルの上にいそいそとケーキを置く。
「さ、食べよ食べよ。瑞樹、ケーキ大好物でしょ? 遠慮しないでいーっぱい食べてね!」
元気にはしゃぐ海莉の声を聞いて、胸がジーンと熱くなった。
たぶんこれ、あたしのために用意してくれたんだ。