ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
後輩の女の子
海莉がごちそうしてくれたケーキで、カロリーとビタミンをいっぱい摂取したおかげか、テスト期間を無事に乗り切ることができた。
結果は……まあ、あたしも海莉も赤点はないと思う。あくまでも希望的観測だけど。
「でも正直、日本史はヤバいかも。歴史って大嫌い」
校庭に設置されたテントの下に長テーブルを準備しながら、海莉がゲンナリする。
あたしもパイプイスを運んで並べながら、心から同意した。
「あたしも暗記系は苦手。海莉って理系はすごく成績いいのにね」
「とにかく日本史でわかんなかった所は、ぜんぶ『徳川家光』って書いて埋めておいた。そう書いておけば、どうにかなるような気がするんだよねえ。困ったときの『徳川家光』だ」
「……なんで家康じゃなくて、孫の家光?」
いや、べつにどっちでもいいんだけど。
単純に疑問に思って聞いてみたら、予想外の返事が返ってきた。
「家康嫌い。中学のときのテストで、家康の『康』の漢字を書き間違えてバツくらって、赤点になったから。あのときの恨みは今でも忘れない」
「それ、恨みのホコ先間違ってない?」
どっちかっていうと、家康さんじゃなくて先生を恨むべきだと思う。
って言うか、漢字間違えたのは海莉なんだから、誰も恨む筋合いではないような?
そんなどうでもいいことを思案しながら見上げる空は、雲ひとつない青空。
本日はまさに運動会日和だ。
結果は……まあ、あたしも海莉も赤点はないと思う。あくまでも希望的観測だけど。
「でも正直、日本史はヤバいかも。歴史って大嫌い」
校庭に設置されたテントの下に長テーブルを準備しながら、海莉がゲンナリする。
あたしもパイプイスを運んで並べながら、心から同意した。
「あたしも暗記系は苦手。海莉って理系はすごく成績いいのにね」
「とにかく日本史でわかんなかった所は、ぜんぶ『徳川家光』って書いて埋めておいた。そう書いておけば、どうにかなるような気がするんだよねえ。困ったときの『徳川家光』だ」
「……なんで家康じゃなくて、孫の家光?」
いや、べつにどっちでもいいんだけど。
単純に疑問に思って聞いてみたら、予想外の返事が返ってきた。
「家康嫌い。中学のときのテストで、家康の『康』の漢字を書き間違えてバツくらって、赤点になったから。あのときの恨みは今でも忘れない」
「それ、恨みのホコ先間違ってない?」
どっちかっていうと、家康さんじゃなくて先生を恨むべきだと思う。
って言うか、漢字間違えたのは海莉なんだから、誰も恨む筋合いではないような?
そんなどうでもいいことを思案しながら見上げる空は、雲ひとつない青空。
本日はまさに運動会日和だ。