君の言葉は私を刺す
「おばあちゃん、これおじいちゃんが。」




「うわー!凄いわね!きっと冬羽が帰ってくるからって頑張ったのね。」





嬉しそうにそう言うと、おじいちゃんの元に行って、上着を持っていったり、タオルを持っていったりと、おじいちゃんに寄り添っているおばあちゃん。




2人が本当に仲良しで、暖かい気持ちになった。





ご飯を食べ始めると私はおじいちゃんにお礼をした。




「私の部屋の家具、全部綺麗で、貸してくれてありがとう、おじいちゃん!」





「おぉ。いいぞ!気に入ってくれたんなら、大事に使え!」





「もちろん!」




私がそう言うと嬉しそうに笑った。




私、ここに来て、都会に住んでいるよりも笑えていると思う。




ご飯があったくて美味しいと思ったり、波の音を聞いて綺麗だと思ったり。




都会ならコンビニで買ったご飯にいつまでも鳴り止まない人の音。





夏休みの間だけなんて、なんか少し悲しい。





夜、私はいつものようにノートを取り出して、机に広げた。





私の日記帳だ。




今日の日付を書いて、朝から何をしたのか書いていく。





新幹線に乗って、バスに乗って、ここまで来て、海に行って、、、、、、





そこで私の手が止まった。




そう言えば、あの男の子。




この街の子だよね?




あの吸い込まれるような瞳に、なんとなく近寄りにくい雰囲気。




私はそれが忘れられない。




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