君の言葉は私を刺す
早輝君の言いたいことがわかった気がした。




「凄いのは表彰台にのった、波人だろ。ちゃんと見てたのも、波人だろ。なのに、、、、凄かったなんて言われるのは全然辛いだけだった。そしたら、冷たい態度とってて、あとから謝ろうとしたけど、何度も思い出して。結局、態度悪いまま。今日だって今頃、、、」




後半の方は怒ったような、イライラしたような、でも泣きそうな、そんな感じだった。




分かる、早輝君の気持ち。




確かに辛い。




でも、冬羽に悪気はないし。




波人君にだって悪気もない。




辛い。




自己嫌悪に悩んでるんだ。




私もなんでだか分からない。




でも気づいたら、早輝君の手を握っていた。




「え?」




「分かる。自己嫌悪、しちゃうの。、、、でも冬羽にはちゃんと謝ってよ。ずっと悩んでたから。」




「、、、、、、うん、もちろん。」





「それと、辛いこと話してくれてありがとう。」




私が目を見て言うと、早輝君はびっくりして目を見開いた。




でも、薄く笑って、




「こちらこそありがとう。」





そう言った。



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