君の言葉は私を刺す
「そうなんだ!俺らもだよー。波人のおばあちゃん家がここで、毎年遊びに来てる。俺と來斗はもう少ししたら帰るけど、波人は夏休み中ここにいると思うし。」




そう言うと、ニヤッと私を見る早輝君。




え、なんだろ、、、




「冬羽ちゃんって、綺麗な顔してるなーって思って。あっ、ナンパじゃないよ!!普通にそう思って。」




「えっと、あ、ありがと、う。」





人から言われるのに慣れてなくて、照れてしまう。





「あははっ!!照れてる照れてる!!」





「早輝ーーー!!」




川から波人君の声が聞こえた。




「あっ、ごめん。俺行くわ!またな!!」





早輝君が立ち上がると、私は急いで言った。





「明日もいるっ!?」




「うん、いるよ!」





そう言って川の中に行ってしまった早輝君。





明日もいるんだ、、、、、、、




自分でもなんでこんなこと言ったのかわからない。





でも、またなんだ。





立ち上がってみんなの姿を見る。




その中でも飛び抜けて目を引く後ろ姿。




すると、波人君が後ろを振り向いた。




目が合う。




その時見えた。





波人君の後ろになにか、黒い光があるのを。





綺麗な黒髪のせいかもしれない。





そんなことを考えていると、パッと目をそらされた。





でも、私はその目を逸らすことなんて出来なかった。





そして、思うんだ。





君の笑った顔が見たい。




君の目に私を映してほしい。








高二の夏。





私は真っ黒な光を纏う、君に夢中になった。







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