君の言葉は私を刺す
ずっと波人が話しかけてくれたら、嬉しく泣いてしまうと思ってたけど、実際は全然違う。




ムカつくよ。




「俺のこと好きって言う割にひどいこと書いてない?」



「だって、ほんとだもん。」




「へー、生意気なんだね。」




「そう?波人の方がよっぽど生意気だよ。」




「いっつも可愛いふりしてたの?」




「そうかもね。本当は全然好きじゃなかったりして。」




試すように波人を見てみる。




でも何も変わらない顔。




私だけがまたドキドキして。




ムカつくのに、会えたのが嬉しいとか思ったりして。




「私ばっかり、、、、、、そんなのずるい。」




そう聞こえないように呟くと、思いっきり波人の腕を引っ張って、岩から飛び降りた。




空中に放り込まれる体。




ふわっと風が吹く。




ザバーーーーーーーーーーーンッッッ




落ちていく体。




コポコポと水の音。




水の中で私は波人のことを引っ張った。




びっくりした顔なんてしなかった。




その代わり、そっと私の頬に触れた。




一定のところまで沈むと、私達は水面に向かって泳いだ。




ぎゅっと背中を支えられる。




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