君の言葉は私を刺す
水面に出た時、向かい合わせに抱き合うようになった。




波人に抱きかかえられて私の方が波人よりも高くなる。




「なに急に飛び込むとか。」




「波人だって、去年やったじゃん!」




「ちょ、何泣いてんの?」




私の目からは理由もなく涙が零れた。




「泣いてない!!!!!」



必死に目を擦った。




でも、逆に痛くて涙がでる。




何してんの、私。




「赤くなるぞ。」




「急に優しくなんてしないで!!」




「俺が、、、、俺が追いかけるとお前は逃げるのか?」



「違う!!、、、ただ、なんでたか分からない!!今までずっと逃げてたくせに。無視したくせに。傷つけたくせに。急になんでそんな諭すような落ち着いて話すの?分からないっ、、、、」




泣いたらダメだ、それだけが頭を支配する。




むかつく。



むかつく。




むかつく。




こんなに怒るなんて私じゃないみたい。




私、人が変わっちゃったかも。




「こんなにムカつくのに、波人だけなんだよ。、、、海見て思い出すのも、川に行って思い出すのも!!ムカつくくらいに波人だけだよ!!最初に会った時から、ずっと、ずっと、好きだよ。波人が、好きだよ。」




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