君の言葉は私を刺す
思い描いていた告白とは全然違う。




こんなキレて言うんじゃなかった。




「一旦水から出るぞ。」




波人はそれだけ言って、浜に戻る。




びしょびしょな私たち。




砂の上に座ると、隣に波人が座った。




「嫌いなんだもん。女。」




「知ってる。」




「でも初めてのタイプだよ。お前は。何度も追いかけてくるし。」




「しつこくてごめん。」




「変に意地っ張りだし。疲れるし。急に病むし。」





「もう最近は病む暇もない。」





「だからさ、1年考えたけど、いいかなって思ったんだよね。」





「なにが?」





「お前と付き合うの。」





「、、、、、、、、、は?」





「だから、お前と付き合うのありかなって思ったの。」




ずっと前を向いていた目を波人に向けた。




目が合う。




真っ直ぐ。





「俺の女嫌い、お前となら治せそう。」




「私のこと、好きなの?」




「正直、俺はわからない。好きとかそういうの。來斗とか早輝みたいに誰かを好きなんて。」




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