君の言葉は私を刺す
初めて聞くごめんは、消え入りそうな声で、泣きそうな声で、例えるなら、小さい子供が本当に申し訳なく思って謝っている、そんな声だった。




本気で言ってる。




初めて聞けた言葉。




初めての本音の言葉。




「本当は泣くほど弱い人だよね。」




「いや、泣かないけど?」




また強がった。




この人、知れば知るほど、子供みたいだ。




わがままな小さな男の子、そんな感じ。




化けの皮が剥がれる。




「だれよりクールなふりして、本当は全然不器用。」




「ねぇそれ、誰に聞いたの?」




「わかるんじゃない?」




「あいつマジで、、、、、、帰ったらただじゃおかない。」




そんなことを言う波人に笑ってしまう。




「ねぇ、約束してよ。」




「なにを?」




「絶対、もう私の事傷つけないって。」




「もちろん。」




「絶対、泣かせないって。」




「もちろん。今までもそんなことないけど。」





そんなこと言うから思いっきり肩を叩いた。




「痛っ、!」




「最後。絶対、私のこと好きになって。私欲張りなの。ずっと我慢してたけど、欲しいものは欲しいの。」





なんてわがままな約束なんだろう。




「、、、、、、女嫌いが治ったら。そうなると思う。だって、俺に初めて、歯向かってきた人だからね。弱い女は嫌い。でも、冬羽は強い。俺が何度も傷つけても、来たから。」





「私のこと試してたの?」





「違うよ。何度も俺のところに来たから、気づいた。俺の探してた人はこういう人って。」




「私どっちかって言えば波人のせいでこんな性格に変わったと思うけど?」




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