君の言葉は私を刺す
こんなに波人と喋るの初めてだ。





身体の左側が熱い。




横から聞こえる波人の声が自分より低くてなんか落ち着く。




「、、、、、、そう。お前、初めて飛び込んだ時も全然余裕だったよな。」





「あっ、うん!楽しかったよ!川の中凄く綺麗で。」




「じゃあ、ここはどう?」




そう言うと、私の手を引っ張って、思いっきり前に走り出す。




そして、空気中に身体が投げ出された。




目の前には広い海、そして真下にも、海。





ドボーーーーーーーーーーーーンッッッ




あの時と同じように、私の周りを泡が囲む。




そっと目を開けると、海の塩が目にしみる。




水面がちょっとずつ遠くなって、




目の前に黒い影が出来る。




そっと背中に腕が回されて、あの時と同じように水面まで上っていく。




ザパッ




「っ、うっ、!!びっくりした、、、、、、」





私は呆然と目の前の波人を見ていた。




すると、あの時と同じように思いっきり笑って、





「あははっ!!びっくりした!?あー、楽し。」




「っ、楽しいじゃないよ!!急に走り出したと思ったら、飛び込んで!!心臓止まるかと思った!!」




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