君の言葉は私を刺す
【波人 side】





夏休みは祖母の家で過ごす。




毎年のことだった。





「いつまでもあんなど田舎に行くことないじゃないか。ここなら、なんでも揃っているのに。」




父の言うなんでもは、なんなんだろうか。




ここにあるもの全て俺に、お前は両親の手の中にあるんだと語りかけてくるものばかりじゃないか。





祖母の家に行けば、少しこの心に潜む黒いものを考えずに済む。





こんな俺でも、いつも一緒にいる友達が2人がいる。





今年もそいつらを連れて、いつもと同じような夏を過ごそうと思っていた。





なのに、




なんでこんな女に付きまとわれことになったんだ?





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