君の言葉は私を刺す
なんで波人がああいう対応しかしないのか、分かっているけど、冬羽は関係ないじゃないか。




冬羽に一言声をかけたあと、俺は波人を追った。




「おい、波人っ。」




「ん?」




「ん、じゃなねーよ。なんで冷たい言い方なんだよ。謝ってんのに。」




「、、、いや、俺は別に。怒ってないのは事実だし。」




「ずっと気にしてたんだぞ。あの時、波人が何も言わずに帰っていくから冬羽心配してたんだぞ。自分が悪いって。」




そう言っても波人の表情が変わることはない。





「女が女、みんな同じじゃないんだからな。」





俺はそれだけ言って、一足先に昇降口に行った。




分かってるから。




波人の苦しみも。




でも、今の俺は、




冬羽の傷つく姿も見たくはないんだ。




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