君の言葉は私を刺す
この学校の借り物競争は独特。



カードに書いてある要求が細かい。




例えば、緑のハチマキのメガネの女の子、みたいなね。




できるだけ簡単なのがいい!




私が最初の組で、次の組に星那と來斗。




よし!




行くぞ!





ピストルのバンッという音と同時に走り出す。




紙を開くと、そこには、




〔青のハチマキ 178センチ以上男子〕





「178センチ以上!?」





私は急いで波人のクラスのところまで行く。




すると、早輝が私に気づいて声を掛けてくれた。




「冬羽、なに!?」




「178センチ以上の男子!!」




「あっ、それなら「俺。」




「、、、え?」




波人に手を掴まれて走っている。




突然のことに私の頭をついていかないし、波人の背中だけを見ている。




そのまま私達は1位でゴールした。




「はぁ、はぁ、、、、ありがとう!波人。」




「いや、、、、こないだ態度悪かったらしいから。これでチャラ。」




そう言って私の頭に手を置いた。




びっくりして声が出ない。




全員がゴールすると、波人はクラスのところに帰っていった。




私はその姿を見ていることしか出来ない。




そっと、自分の頭に手を置いてみる。



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