君の言葉は私を刺す
­­【波人 side】




なんであの時、手を取ったのか。




自分でも分からない。




でも何となく、心に残っていた。




早輝の言葉が。




確かにあいつは、俺が知っている女とは違う。





普通のやつなら橋の上から飛び降りないだろ。




それに危ないから来んなって言ったところにもくるし。




すぐ謝るし。




必死だし。




なんで俺こんなに、振り回されてんだ?




昼になって弁当を食べる場所を探していると、またあいつが来た。




「波人!!お昼一緒に食べよう!!」




なんで自分から誘ってるのに、申し訳なさそうなわけ?




俺はめんどくさくて日陰になっている木の下に座った。




あいつは何も言わずに隣に座る。





「ご飯、コンビニなの?」




「、、、まぁ。」




「良ければ、私の卵焼き食べる?」




「、、、毒味?」




「違う違う!!その、美味しいから!!食べてみて!!」




必死に言われたから、ひとつ貰った。




うん、まぁ、不味くはない。



「どう?」




「いいんじゃない?」




俺がそういうと嬉しそうに笑う。



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