君の言葉は私を刺す
たったこれだけで何が嬉しいのか俺には分からない。




多分、早輝はこういうの分かるんだろうな。




「ねぇ、あとはなんの種目に出るの?」




「リレー。」




「そうなんだ!応援してる!!」





「クラス違くない?」




「でも、友達応援するの普通じゃない?」




そうやって堂々と言い切るところが、なんとなく嫌だ。




俺は立ち上がってブラブラと歩くことにする。




後ろからまた呼び止められる。




「波人っ!!」




「ちょっとうるさいから。1人にさせて。」





そう言うと人のいなそうな場所に来た。





見たくないんだ。





女の顔も、





泣きそうな声も。





直ぐに潤む目も。





嫌だ。





だから女は嫌だ。





直ぐに、簡単に、





俺の名前を呼ぶことも。




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