君の言葉は私を刺す
「そ?なら良かった。やっぱり笑ってるのがいいよ。冬羽は。」




そう言って無邪気に笑うから照れてしまう。




「なに?照れてるの?おー!新発見!!」




「笑うなーーー!!」




私は立ち上がって早輝の髪をぐしゃぐしゃにした。




いっつもそうやってやられっぱなしだ。




「あー!せっかく髪整えたのに!!」




「嘘っ!部活だったのに!!」




「バレたか。」




ニカッと笑った早輝につられて、私も笑う。





久しぶりにお腹の底から笑った。




「ありがと、早輝!!元気出た!!」




「おう。あっ、冬羽もう帰る?」




「うん。帰ろっかな。」




「じゃあ、昇降口で待ってて。一緒に帰ろ。」




「うん!!じゃあ、先に行ってるね!」





早輝に手を振って隣の教室に走る。





リュックにノートを入れてギターケースを背負った。





昇降口に向かっている私の足取りが凄く軽かった。




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