君の言葉は私を刺す
「そーねー。都会に住んでいると不思議かもしれないけど、ここではみんな遊ぶわよ。プールに行くのと一緒!それから、海も。綺麗でしょ?」





坂の上まで登っていた私は後ろを振り返って頷いた。




おばあちゃん家は坂の上にあって、大変だったけど、この街自体みんなそんな感じだ。





「そう言えば、冬羽は軽音部なのね。ボーカルとギターなの?」





「うん。部活に行けなくなっちゃったけど、練習はしてないといけないから。」






「そう。おばあちゃんも聞いてみたいわ。」





「うん!今度聞かせるね、おばあちゃんにも。そう言えばおじいちゃんは?」





「おじいちゃんは漁師だから。この時間は海に出ているわよ。」




へー、漁師なんて初耳。




お母さんあんまり、自分のこと話してくれないし。





「さぁ、着いたわよ。」





そう言われて、家を見ると、大きな家が私を待ち受けていた。




でか、い。




「冬羽の部屋は2階の1番東側の部屋だよ。荷物置いてきたら、先にご飯食べちゃって。」




「はーーい。」




部屋に入ると、風がぶわっと髪を揺らして、目の前には真っ青な海が見えた。





「凄いっ!!」





部屋はどこかのリゾートみたいに、アジアンテイストだった。




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