君の言葉は私を刺す
なぜだか今は波人の名前を聞きたくない。



「まぁ、その事は置いといて!!」




笑ってそう言うと、早輝は察してくれたようだ。




「ていうか、冬羽泣いたの?また?」




「違う!!これは嬉し涙!!」





「結局泣いたじゃん。冬羽泣いてるのしか見たことないや。」



「そうかな?今日の私は?かっこよかった?」




私がニヤッと早輝のことを見ると、




「おう。今までで一番かっこよかったわ。」




なんて期待した言葉と違うのが返ってきて戸惑う。




「自分で言って照れちゃって。」



「うーるーさーい。私もいつか、早輝が泳いでるの見てみたいな。川とか海じゃなくて、大きなプールで泳いでる姿。」



テレビでオリンピックの水泳は見たことあるけど、実際に見てみると違うんだろう。




熱気とか歓声は、その場にいて初めて感じることが出来る。



「じゃあ、今度の大会見に来てよ。来週。」




「えっ!?いいの!?」




「見に来るのに許可いらないよ!見に来て。めっちゃ頑張るから。」




< 79 / 177 >

この作品をシェア

pagetop