君の言葉は私を刺す
【來斗 side】

まさかと思った。




また、波人だ。




前にもあったんだ。




好きになった人の好きな人は波人。




もうジンクスだよ。



今までそうやって諦めてきても、波人はその女の子たちと付き合うことは1度もなかった。




それを俺は知っていたけど、諦めたんだ。



だって、波人と付き合えなくても、その子達は俺のことを好きにはならないから。




でも、今回は違う。




一目惚れだけど、俺の気持ちがこんなに揺れたのは初めてなんだ。




すずかのこと、まだ何も知らないけど、好きなんだ。



荷物を置いて、階段を降りると下の階を歩いている波人を見つけた。




「波人!」




「おう、おつかれ。」




片手を上げて俺を見る。




まどろっこしいのが嫌いな俺はストレートに言う。




「さっき一緒にいた子に告白された?」



「さっき?、、、、、、あぁ。いや。ただデートしてくれって。」




「それで?」




「いや、普通にいいよって言ったけど。」





「、、、、、、、、、嘘、、、」



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