わたし、BL声優になりました
「赤坂はいるか」
事務室のドアを開けるなり、黒瀬は赤坂の姿を探す。その声を聞きつけた赤坂が、部屋の奥から顔を出した。
「ああ、黒瀬くん。お帰りなさい。どうしましたか──って、白石くん! 心配していたんですよっ!」
「ご、ご迷惑をおかけして、すみませんでした」
ゆらぎは赤坂の姿を見るなり、素早く頭を下げて、謝罪を口にした。
「いえ、無事でいてくれて良かったです」
恐る恐る顔を上げると、少し見ない間に、やつれたのか赤坂の顔には影が出来ている。
それでも、変わらずに優しく微笑み、ゆらぎを迎え入れてくれた彼には感謝しかない。
「社長は?」
黒瀬は事務室を見渡し、社長の姿を探すが、見当たらない。ここにいないのなら、社長室かもしれない。
「田中社長なら出掛けています。しばらくは多忙のため、事務所に顔を出すのは難しいかもしれません」
「そうか……。やっぱり、閉めるのか? この事務所」
「何も聞かされていないので、まだ何とも言えませんが、恐らくは」
事務室のドアを開けるなり、黒瀬は赤坂の姿を探す。その声を聞きつけた赤坂が、部屋の奥から顔を出した。
「ああ、黒瀬くん。お帰りなさい。どうしましたか──って、白石くん! 心配していたんですよっ!」
「ご、ご迷惑をおかけして、すみませんでした」
ゆらぎは赤坂の姿を見るなり、素早く頭を下げて、謝罪を口にした。
「いえ、無事でいてくれて良かったです」
恐る恐る顔を上げると、少し見ない間に、やつれたのか赤坂の顔には影が出来ている。
それでも、変わらずに優しく微笑み、ゆらぎを迎え入れてくれた彼には感謝しかない。
「社長は?」
黒瀬は事務室を見渡し、社長の姿を探すが、見当たらない。ここにいないのなら、社長室かもしれない。
「田中社長なら出掛けています。しばらくは多忙のため、事務所に顔を出すのは難しいかもしれません」
「そうか……。やっぱり、閉めるのか? この事務所」
「何も聞かされていないので、まだ何とも言えませんが、恐らくは」