わたし、BL声優になりました
「会ってどうするの。というより無駄だと思うよ。彼女の狙いは『白石護』という声優が、この業界から消えることだと思うから。白石くんが消えたと聞いたら、嬉々として喜ぶだけじゃないかな」
「どんだけ、性根ねじ曲がってるんだよ、あの女」
「それより、写真が出た時の対処の仕方だけど、黒瀬は何か考えてるの。期日は明日までだよね」
「……事実だと認める。誠意を見せるのが関係者にもファンの皆にも一番だと個人的には思う。納得してもらえるかは別として」
「ふーん。まぁ、恋愛禁止ってわけでもないからそれは問題ないだろうけど。相手が問題ってとこかな。今まで、そういう売り方をしていた君の事務所にも問題はあるわけだしね。
いっそのこと、真剣交際してますって報告したら? あー自分で言っててツラくなってきた。僕ってば可哀想ー」
「自分のこと、可哀想なんて本当は思ってないくせに、よく言うよ」