わたし、BL声優になりました
「それで、なんだが。今、黒瀬くんはフリーとして活動しているわけなんだが、どうだろう。この新しい事務所に入る気はないかい?」
「興味ない」
「ふむ。これはこれは……なかなかに重症だねぇ。なら、言い方を変えよう。君の想い人が、その事務所に所属することが決まった」
「なっ! 白石が……?」
驚きで、思わず田中社長を見上げた。
「誰も白石くんだなんて言ってませんけどね」
「赤坂、お前……」
今まで静観していた赤坂が、鋭い指摘をする。黒瀬は咄嗟に反論しようとしたが、正論すぎて何も言えなかった。
「まぁまぁ。で、だ。どうかなと思って。悪い話じゃないだろう」
場を諌めるように、田中社長は会話を続ける。
「……今さら会って、どうしろと」
「好きなんでしょう? 白石くんのことが」
直球な田中社長の言葉に、黒瀬は痛いところを突かれた。
「……ああ、好きだよ。今でも! 会えるなら会いたいに決まってる! でも、あいつの声優人生を一度駄目にした俺が、そんなこと言えるわけないだろ!!」
畳み掛けられるように、誘導尋問され、黒瀬は半ば自棄になりながら声を荒げて、秘めていた自身の想いを吐露した。
「そっか。その言葉が聞けて良かった」
「興味ない」
「ふむ。これはこれは……なかなかに重症だねぇ。なら、言い方を変えよう。君の想い人が、その事務所に所属することが決まった」
「なっ! 白石が……?」
驚きで、思わず田中社長を見上げた。
「誰も白石くんだなんて言ってませんけどね」
「赤坂、お前……」
今まで静観していた赤坂が、鋭い指摘をする。黒瀬は咄嗟に反論しようとしたが、正論すぎて何も言えなかった。
「まぁまぁ。で、だ。どうかなと思って。悪い話じゃないだろう」
場を諌めるように、田中社長は会話を続ける。
「……今さら会って、どうしろと」
「好きなんでしょう? 白石くんのことが」
直球な田中社長の言葉に、黒瀬は痛いところを突かれた。
「……ああ、好きだよ。今でも! 会えるなら会いたいに決まってる! でも、あいつの声優人生を一度駄目にした俺が、そんなこと言えるわけないだろ!!」
畳み掛けられるように、誘導尋問され、黒瀬は半ば自棄になりながら声を荒げて、秘めていた自身の想いを吐露した。
「そっか。その言葉が聞けて良かった」