わたし、BL声優になりました
黒瀬もまた、戸惑いを隠せずにいた。彼が混乱するのも当然。何故なら、男装をしていないゆらぎ本来の姿を見たのは、これが初めてだったから。
緑川に無理矢理コーディネートされていた時とも違う雰囲気。
初めて見る髪色。ナチュラルメイクを施した顔。服装。
そのどれもに、黒瀬は完全に心が奪われていた。
本当に白石なのか。そんな疑問さえ浮かんでくる。
田中社長が黒瀬を事務所に入れるために、用意した影武者ではないのか。
そんな考えが脳裏を巡り、確信を持てず、次に続く思考が完全に停止していた。
「ちょっと、二人とも。固まってないで、何か言いなさいよ。せっかくの感動の再会なのよ」
九十九院が茶化すも、気まずい空気が辺りに漂う。
緑川に無理矢理コーディネートされていた時とも違う雰囲気。
初めて見る髪色。ナチュラルメイクを施した顔。服装。
そのどれもに、黒瀬は完全に心が奪われていた。
本当に白石なのか。そんな疑問さえ浮かんでくる。
田中社長が黒瀬を事務所に入れるために、用意した影武者ではないのか。
そんな考えが脳裏を巡り、確信を持てず、次に続く思考が完全に停止していた。
「ちょっと、二人とも。固まってないで、何か言いなさいよ。せっかくの感動の再会なのよ」
九十九院が茶化すも、気まずい空気が辺りに漂う。